ご参加ありがとうございました

2020年05月30日

講座を終えてのご挨拶

この度アプリコット出版様には、日本全国の先生方とつながれるチャンスを頂き、

心から感謝しております。

ラーニングワールドはこれからもこの先も、

そしてオンラインであろうと教室でのレッスンであろうと、

私のスタジオには欠かせない軸となる教材です。

私にとりましても大きな変化であったオンラインレッスンへの移行がスムーズにできたのも、

デジタルのTeachers' Manualがあるからこそです。
 

講座では長い指導経験をお持ちの先生方に

どんなお話をどのようにまとめてお伝えすれば良いか迷いました。

言葉や説明の不十分なところも多かったことと思います。

ですが、先生方の表情がとても温かく、

自然にお話させていただくことができたように感じています。

やはり日々多くの生徒やご家族とやりとりされていらっしゃいますから、

コミュニケーション力が高い。

それは画面を通して、確実に伝わってきます。

私たちが英語を指導する上でのアプローチには大なり小なり違いはあるでしょうが、

同じ方向を向いている仲間の一人として、少しでもお役に立つことができたら幸いです。

目線と訓練、創意工夫 

当日は様々な質問を頂戴しましたが、特に目線について付け加えたいと思います。

カメラを見て話しかければ、相手は自分を見てくれていると錯覚しますが、

当の本人は相手の表情を確認できない。

これって、教える立場の人間にとっては相当なジレンマですね。

今回のようなやりとりがほぼ一方通行の講座では、

オーディエンスが画面の向こうに存在すると信じて、

Youtuberにでもなったつもりで目線をちっぽけなカメラに向けて

話しかけることができます。

 ですが、デジタルコミュニケーション空間で

生徒の表情、一挙一動を把握しながらファシリテートする側は、

訓練と創意工夫が必要だとみなさんもお気づきと思います。

ではどうしたら良いのか。

この思いは、今世界中の教育者、指導者が直面している

ユニバーサルな問題だと思います。

制約がある中の新しい視点

 私も毎回が学びと挑戦の連続ではありますが、

2台目のPCの存在が重要な役割を担ってきたと思います。

生徒の表情を確認しやすくなるだけでなく、

教室でしたら決してできなかった、

生徒目線でレッスンを俯瞰できる視野を獲得したからです。

さらに録画機能も自らの指導を振り返る上で欠かせないツールです。

 さて、正直に申し上げると、

自分のスクリーンに映し出される話者の目線が、

「実存する私」と違う方を向いていても個人的には気になりません。

相手の画面に空間を超えて存在する「二次的な私」に

微笑みながら話しかけてくれている他者を認めることができますから、

無理なくコミュニケートできるのです。

一年と少しのわずかな経験ではありますが、

画面越しの認知力が鍛えられてきたという可能性もあります。

だとすると、どんな学びやスポーツでも一緒ですが、

経験、訓練の量が影響するのかもしれない。

non-verbal communicationを見直す

さらに、大切なのは目線だけでなく、

画面いっぱいを使って、

パラリンガルで自分をオープンにして伝え続ける姿勢なのかもしれません。

自らをオープンにすることなしに、相手の心を開かせることはできないからです。

ですから、指導者だけでなく、参加者である生徒たちも、

積極的にコミュニケーションの本質を学び、

鍛える必要がある。

自分の表情や声音、視線、姿勢、会話のタイミングなどが

周りにどんな影響を与えるのかを知り、

仲間と協力して学びの空間を作り上げるかけがえのない一人であると

自らを認識する。

英語の学習と並行して、

そんなnon-verbal communicationを今一度見直すチャンスを

コロナウィルス禍はもたらしてくれたのではないでしょうか。

ハイブリッド型へ

 少しずつお教室も再開して、

「会えて嬉しい」

「生徒たちがいるからこそ頑張れる」と

さらにやる気を喚起されている方も多いかと想像いたします。

face to face setting のみならず、

virtual classroomを提供できる先生方は、

今こそ両方の利点を生かせるチャンスです。

私も存じ上げているK先生がおっしゃられたように、

オンラインのプライベートレッスンは大変効果的であると私も感じています。

従来のレッスン形態&オンラインのハイブリッド形式にしていく、

というお教室が今後増えるのではないかとワクワクしています。

英語を問題解決のツールに

残念ではありますが、

インターネット上で利用できる日本語の教育資源は限られています。

ところが英語ですと、

無料で最先端の学習コンテンツ、アプリやプラットフォームが溢れています。

講座の最初にも述べさせていただきましたが、

地域の英語教育を担う先生方の重要性が高まっています。

英語を教えるだけでなく、

英語をどう使って指導に生かしているか、

問題解決に活用しているか、

世界や未来に目を向けながらどんなメッセージを子供達や保護者に送るのか。

正解なき時代を生き抜く子供たちは、

学びにおけるownershipを手にする必要がありますね。

そんな今、私たち指導者の後ろ姿が、これまで以上に彼らの成長を後押しする

重要ファクターであるとつくづく感じています。

ぜひ、これを機会につながって、

お互いの指導を高め合う仲間の一人とさせていただけたら幸いです。

この度はご参加誠にありがとうございました。

スナダマリコ 拝

https://usecubes.com/design

講座でご紹介した、3Dデザインを作れるサイト

ノートルダム大学で人類学を教えているSusan D. Blumのオンライン授業とコミュニケーションに関する記事。Blum氏のフラストレーションがよくわかるので、同意する先生も多いかと思いますが、彼女の意見に対するコメント欄もさらに興味深いです。

https://www.insidehighered.com/advice/2020/04/22/professor-explores-why-zoom-classes-deplete-her-energy-opinion


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