口にはマスクを、胸には微笑みを
ついに学校が始まりました。よね?
みなさまごきげんよう。ヒューストンのスナダマリコ です。
この辺の怪しい現場理解は
ゆーこちゃんが後ほどツッコミを入れてくれると思いますが、
とりあえずそういう前提で走ります。
嬉しい再会
ついにお教室再開します!という先生方も多いかと思います。
2020年4月の始業式や入学式にマスクで参加した子供たち。
新しい先生やお友達の顔(の全体)を
まだ見たことがないってケース、大いにあり、ですね。
これってすごく落ち着かない。
そこで、今回はこのアイデアをみなさんと共有したい。
ヒントは、上の写真です。
彼女の名前はメアリーベス ヘフナーさん。
前置きが少し長くなりますが、お付き合いください。
マスクが怖かったアメリカ人
アメリカではプレころな時代はマスクなんて誰もしませんでした。
今年の1月、
三女が風邪から回復したものの、
まだ咳をしていました。
前の週に風邪だったお友達が
珍しいことにマスクをして登校したけれど
特別な感じはなかったと娘が言うので、
迷った末につけさせて学校に行ったら、
案の定、車で送った後に学校から電話が。
かけてきたのは保健の先生でした。
「マスクをしていると、怖くて勉強にならないから外してください。」
(別の機会に「アメリカのマスク観」について詳しく書きたいと思います。)
私は言いました。
"We are merely doing it to be respectful of others."
「周りの人に気遣ってつけていたんですよ。」
おかしなもので、それから数ヶ月後に
自分のためにも、周りのためにもマスクをつけよう!って
みんなが大号令をしている。
いい意味で変わりました。
口も目ほどに物を言う
アメリカに住むのは今回が2回目の我が家です。
前回日本に戻った2012年は
まだ二女が幼稚園児だった2月。
バス停に毎日通っている時に、
ずっとマスクをしているママ(Kちゃん)がいました。
インフルエンザの流行る時期ですから
わかるのですが、
Kちゃんは一度たりともマスクを外しません。
彼女の顔や表情がわからない私は
心から打ち解けることができず、
とても話しずらかったんです。
4月になって、マスクをとったKちゃんの
容貌が明らかになるや否や
あっという間に打ち解けて、
「あの期間はなんだったの?」と言うくらい
その後お互いに引っ越すまで
何年にもわたって親しくさせていただきました。
で、何を言いたいかと言うと、「口も目ほどに物を言う」ってことです。
じゃあ、ころな時代の今はどうすればいい?
大人も子供も、なんだか落ち着かない気分のままで
モヤモヤコミュニケーションをとっているんじゃない?
Kちゃんとの記憶が私の中に蘇ります。
何かアイデアが必要です。
口元を印刷できるアイデアマスクもあるようですが、
コストがかかるのと、
シリアスな場なのに口は笑っている、など
顔をTPOに合わせられないデメリットがあるかと思います。
そこで、日本の学校だったら
顔写真を印刷して、
胸に毎日留めたらいいのではないでしょうか?
幼稚園生だったら自分で描いた似顔絵でも良いかもしれません。
笑顔の写真を胸につけよう
お教室で、学校で、はじめませんか?
お子さんの学校の先生にも、
お知り合いにも声をかけてくださると嬉しいです。
口にはマスクを、胸には微笑みを。
笑顔の写真を胸につけよう。
発端はエボラウィルス
冒頭にも少しご紹介した、メアリーベス ヘフナーさん。
彼女のアイデアと行動力、
そしてempathy(他人の立場になって感じること)に共感し、
このブログを書かせていただきました。
彼女の活動を要約します。
メアリーベス ヘフナーさんはLA在住のアーティストです。
2014年、エボラ出血熱の現場で、
治療にあたる完全防護服姿のスタッフの映像に衝撃を受けました。
顔がまるで見えなくて、
スターウォーズに出てくる
未来からきた邪悪な生物に見えたからです。
人間同士のつながりのない、
極限環境で亡くなっていく人々に想いを馳せると、
いてもたってもいられなくなって、
プリンター6台と様々な必要物資を持って
感染リスクのあるリベリアに飛びました。
そして医師や看護師の写真を撮り、
シール用紙に印刷して防護服に貼り付ける活動を続けました。
一枚の写真が、機能一辺倒の防護服に
ポジティブで人間的な温かみをもたらし、
患者だけでなく、
医療従事者相互に良い影響をもたらしたそうです。
今もこのプロジェクトは
コロナウィルスで治療にあたるスタンフォード大学病院と提携の元、
広がっています。
さらに下のようなムーブメント
Share your smile movement も各地で広がっています。