解体ショー

2020年06月10日


マグロじゃないよ


みなさまごきげんよう。

スナダマリコ です。

このところ「解体」のニュースがささやかれていますが、

マグロ解体ショーではありません。

警察の解体、だそうです。

そんなことってできるの?

とつい思ってしまいますが、

アメリカでは実際にいくつもの都市が着手して

警察の役割を再構築しているそうです。

アメリカと言えば、

びっくりなことはいろいろあります。

「いらないでしょ!」と大きな声で言いたいのが

「救急車を呼ぶとお巡りさんも消防士もやってくる」ことです。

無駄のある911


日本では救急車を呼ぶときは119番。

おまわりさんを呼ぶときは110番。

役割分担がありますが、

アメリカには911しかありません。

私も911を呼んだことは二回ありますが、

「救急車が必要な旨」を

ちゃんと状況説明してるのに、

めちゃくちゃ大きい消防自動車と

筋肉隆々のファイアファイターまでが

ドカドカとやってきて

大げさすぎて呆気にとられたことがあります。


昨日見ていたニュースによると、

お巡りさん自身も

カバーをするエリアで問題があれば

出動して駆けつけるのは自分たちだが、

そもそも銃と警察バッジを持っている自分たちの出番でない事態が多い。

役割分担が必要だ、という議論です。

https://www.nytimes.com/2020/06/08/us/what-does-defund-police-mean.html


わたしの住むテキサス州にあるオースティンも

1年前にシステムの再構築がされて、

911のコールを受けたオペレーターが

警察、消防、救急、メンタルヘルス(ドラッグ関連)のうち

何のサポートが必要なのか

まず確認するように変わったそうです。

(これは警察のリフォームと言うよりも 

特に鎮痛剤のオピオイド依存問題に対応してのことと思われます。)


もちろん、上にあげた例は

私個人が知る狭い範囲での

「変えた方がいいんじゃない?」ポイントで、

ジョージフロイドさん殺害を発端とした

警察解体論とは全く問題の本質が異なります。

https://www.verywellhealth.com/what-happens-after-you-call-911-4078457

現場を知るプロ


残念ながら

悪名高きミネアポリス市警に関しては

これまでも何度も改革のメスが入れられているにもかかわらず

一歩進んで二歩下がる、

と言うような状況だったようです。

昨晩のニュースThe Rachel Maddow Showにゲストとして出演した

Dr. Phillip Atiba Goffさんのメッセージに

私は強く心を揺さぶられました。

そして巻き戻して何度も聞き直しました。

彼は若くしてUCLAで社会心理学を教える教授であり、

Center for Policing Equity の共同設立者兼代表です。

全米中の警察と協力し、無駄な死を防いで平和的に治安を守るための活動をしています。


今回のフロイドさんをはじめとする痛ましい事件だけでなく、

ニュースにさえ取り上げられない

日常茶飯事的に全米で起きている

数えきれない隠れた人権侵害を、

問題のまさに根源である警察署とタッグを組んで

解決しようとアクションを起こしてきた

「現場のプロ」です。

彼のメッセージがちょうど本日TEDにあげられていたので

一部、所々になりますがシェアします。


テキストがないので、

ビデオを止めながらタイプする、という作業になりました。

これを文字起こし、というのでしょうか。 

音声認識AIを使おうと思ったのですが

Goffさんのメッセージに

心底寄り添いたいと思ったので

これが私のプロテスト。


そう思って

一つ一つ大切に聞いて書き取りました。

ただ、話し言葉なことと、

ボリュームが多いので、

文章に関してはかなり変更しているところ、

そして中略も多々あります。


ただ、注意書きを入れると読みにくいので、

それ自体も省略しています。

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" The bill has come due for the US's history of racism."

We tried to change the culture so that the culture can be accountable to the values of the community.
One activist said to me that the pain he was feeling was too large to fit into his body.

The pain is too large to fit into our life time.

What we are seeing is that the bill came due for the unpaid debts that the country owes to its black residents.

It comes due usually every 20 to 30 years.

It was Ferguson (Missouri; Shooting of Michael Brown) just 6 years ago.

About 30 years before that,

it was in the streets of Los Angeles after the verdict that exonerated the police that beat Rodney King on video.

If we don't take a full accounting of these debts that are owed,

we, the black people are going to keep paying it.

ついに請求書が突きつけられたアメリカ差別の歴史

僕らは警察署に蔓延る悪しき習慣を、

地域のために責任あるものに変えようと努力してきた。

一人のデモ活動家が僕に言った。

感じる痛みがあまりにも大きすぎて、

とても自分の体には収まりきらない、と。

僕らの苦難は一人一人の人生にも収まりきらない、

それほど大きいと言うことだ。

今僕らが目にしているのは、

この国が黒人住民に賠償をして来なかった、

そのツケが回って来たということだ。

償いを求める声は20年、30年おきに起こっている。

6年前のファーガソン(ミズーリ州、マイケルブラウン射殺事件)、

そして30年前には

ロドニー キングに暴行を加えた警察官たちが

無罪評決を得たことで起きたロサンゼルス暴動。

責任が果たされずに賠償が行われなければ、

僕ら黒人は命を落とし続けるだろう。

目の前で繰り広げられるのは、懺悔のない罪の数々である。


The history we have in this country is not just a history of vicious neglect and the targeted abuse of black communities.

Holding the weight of it individually and collectively is just too much.

It's just too heavy a load for a person or people or generation to hold up.

What we are seeing is the unrepentant sins, the unpaid debts.

The solution just can't be that we fix policing.

黒人社会を標的にした悪しき怠慢と行使の濫用だ。

この重みに個々であれ、集合体であれ、

耐えるのはもう無理だ。

一人にとっても、

地域にとっても世代にとっても、

もう背負いきれない重みだ。

繰り返し目にするのは償われることのない罪ばかりだからだ。

警察を改革すれば済むと言う話ではないんだ。

We don't get to the place just by reforming the police.

We've been encouraging departments and cities to take the money from police budgets.

It should be invested in communities.

People ask, what could it possibly look like?

How could we imagine it?

And I tell people there's a place in the United States right now.

It's the suburbs.

It's where we have enough resources to give people, so they don't need the police for public safety in the first place.

If we hadn't disinvested from all the public resources that were available in communities that most needed those, we wouldn't need police in the first place.

Many have been arguing even more loudly recently that we don't.

市警をただ解体したり、資金を取り上げれば良いと言うものではない。

取り上げた資金はコミュニティに投入されるべきだ。

そんなことってできますか?どんな場所ですか?とよく言われるんだ。

でも考えてみて欲しい。

全米中にあるんだ。

住んでいる人もたくさんいる。

それは「郊外」だ。

都市の外側にある住宅地には生活に必要なものがなんでもある。

公共の安全のために警察などいらない場所だ。

そもそも都市地区住民への公的サポートをストップさえしなければ、

警察なんて最初からいらなかったんだ。

この事態になっても、

まだそのような税金は必要がない、

と声高に言う人々がいる。

We need the kind of systemic change and management tools.

It needs a quantum change in the way we think about public safety.

But mostly, this isn't just the policing problem.

These are the unpaid debts that are owed to black America.

The bill is coming due.

And we need to start an accounting together, so we are not just paying off the interest of the damn thing.

体系づけられた運営手段がいる。

社会の安全を守る方法について、画期的な思考の変換が必要なんだ。

しかしながら、問題は警察ではない。

アメリカという国が、黒人社会に対して支払うべき償いの話なんだ。

支払い期限が来ている。

今全ての勘定をまとめないと、わずかな利子しか回収できないことになってしまう。

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昨日に引き続いて引っ張ってしまいますが、

ここまで長いので、

彼が何を言わんとしているか、

明日はもっと掘り下げてみたいと思います。

タイトルは

郵便番号で余命がわかるアメリカ

えええーー😱😱😱😱😱😱😱

キーワードは reparationsです。

ここまでお付き合いくださって

本当にありがとうございました!

スナダマリコ 拝


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