学校風景 Now and Then

2020年10月31日
三女がお友達と作ったjack-o'-lantern
三女がお友達と作ったjack-o'-lantern

ハロー、ハロハロ ハロウィーン。

ハロウィンイベントをされた先生方も多かったかと思います。

お疲れ様でした!

日本は肌寒い日が多くなりましたか?

ここヒューストンは夏が長いです。

まだ時々日中は汗ばむ陽気にもなりますが、

それでも外に出るのが快適になって

子供たちを散歩に引っ張り出すのが楽になりました。


今回は

以前メモしながらまだお届けできていなかった

学校ネタをご紹介します。


今から遡って

9月の初旬にあった

保護者による学校訪問の場合のお話です。


小中高ではOpen House と言って

年度はじめに親が学校に出向き、

先生から直接学習内容や説明を受ける機会があります。

日本のような「授業参観」はないので

なかなか貴重なチャンスです。


もちろん今年はオンラインなのですが、

イメージを掴んでいただくために

ざっくり

「プレコロナ」時代のオープンハウスや

子供たちの授業の受け方から

まずはご説明します。

小学校の場合


お子さんには担任と副担任の先生の二人がいると

イメージしてください。

(いいですよねー。)

例えばうちの場合は担任が「英語&社会」の先生で

副担任が「算数&理科」の先生です。


娘は午前中に「英語&社会」を

自分の教室で担任の先生から学びます。

午後になるとクラスの仲間と共に

別の教室にゾロゾロっと移動します。

ここが副担任の先生の教室で、

午後は「算数&理科」の学習です。


逆も然りなので、「算数&理科」の先生が担任の生徒は

午後に「英語&社会」の副担任の先生の教室にお引っ越しです。


この二人の先生は年間を通してペア活動しています。

たいてい教室は隣あっていて、

生徒は教科書なども机に入れたままにしておくので

机の引き出し部分は

隣のクラスの誰かさんとシェアするゆるめな仕組み。

持ち物をきれいにしてくれない子と机をシェアすると

ぐちゃぐちゃで嫌だそうです。

日本の学校のように教室の後ろにロッカーはないです。

バックパックは椅子の後ろにかけています。


娘の学校にはこのペアクラスが4組、

合計8クラスがあります。

1クラスは25名以下です。

その他に

音楽、美術、体育、STEMは専門の先生がいて、

その都度専用の教室に移動します。


というわけで、

小学校のオープンハウスや面談などは

この担任、副担任の先生と連絡を取り合います。

三女はESL(English as a Second Language)の生徒なので

ESLの先生もここに加わることもあります。


中高の場合


中高の場合は

学校ドラマや映画でみられるように

チャイムがなると生徒が廊下にどっと溢れ出す、あれです。

ロッカーに寄りながら

めいめい次の教室に向かうわけですが、

先生が一人一部屋を教室兼オフィスとして持っているから

起こる光景です。

日本の場合は生徒でなく、先生が授業ごとに移動しますね。

また、授業は選択方式なので

年度はじめは生徒の選択する授業を

1日にきれいに組み込むのが

学校側は大変だそうです。


話を一旦コロナ禍の現在に戻すと、

一時限ごとに全校生徒の大移動が起こる

アメリカ方式では

social distancing はよりチャレンジングになることが

容易にご想像できるかと思います。


現在はオンライン授業ではなく、

face to face を選んだ

限られた人数の生徒のみ登校している状態ですが、

この移動時の混雑を回避するために

クラスをABCの3チームに分けて、

休み時間を5分ずつずらして

廊下に溢れる人数をコントロールしています。


またコロナ前に話を戻しましょう。


それが、中高のオープンハウスとなると

この一斉大移動を不慣れな親がやるので大混乱です。

あらかじめ教室マップをプリントして

子供にマークをしておいてもらわないと

間違いなく迷います。

おまけに移動時間が少ない。

オープンハウスの場合は、

授業と同じスケジュールで

1時限を15分間に短縮し、

休憩は通常通りの5分間で

実際に子供が日々行う移動を高速体感します。


中高ともに大きい学校なので、

人の流れをうまくかき分けながら次の教室に移動するのは大変。

「ああ、うちのお嬢さん方はこの移動について

文句を言ってるのね、」と

初めて分かるわけです。

授業によっては教室と教室がすごく離れていたりと

「現場だからこそわかる空気感」は侮れません。

うちの子供たちの学校は特に

作りが複雑で、中庭があったり、

どこから見ても景色が一緒だったりと

日本の学校より「現在地」がわかりにくいなぁと

方向音痴の母は感じます。


「この教室で、この景色で授業を受けてるんだな」と

実感することは

アメリカの学校をよく知らない私にとって大きい収穫です。

先生達とも直接話せる貴重な機会でもあります。

日々多くのメールを

学校や先生から受け取ってきた母は

「顔と名前が一致するって、大事だなぁ」と

つくづく感じます。


顔や声がわかった途端、

メールに先生の表情や声色を補いながら読むことができるから

より自然に内容を落とし込むことができるんですね。


小学校ではボランティア活動をすると

教室や学校内に入る機会も多いのですが、

中高生になると、イベントに参加する機会こそあれ、

各教室を回るチャンスはほとんどありません。


それに子供たち、

映画のように、ロッカーでゆっくり立ち話、

なんてシチュエーションはなかなかないそうです。

必死に移動して、遅刻しないようにするのが精一杯。


そもそも娘の高校は本当に忙しいので、

誰もロッカーを使っていません!

ロッカーに寄ると次の授業に間に合わない。。。

バックパックに重いテキストやpcを入れて移動するので、

不意に方向転換するとバッグが凶器化します。


そういえば初めて子供を連れて学校に行った日は

ドキドキと生徒の移動の迫力と

体格に圧倒されましたっけ。


通常オープンハウスや各種イベントは

夜6時半くらいから始まります。

共働き家庭が多いですから、

夜のイベントはありがたい、というより

そもそも初期設定です。

参加者の割合はやはり母親が多いですが、

日本の学校よりも父親の参加率はかなり高いといえます。

ざっくり男女比を言いたいところですが、

(気になりますよね)

うーん、

学校に行かなくなって早7ヶ月。。。

それ以前も丸一年と通わないうちに

パンデミックになりましたから

すでにもろもろの記憶が曖昧になってきてしまいました。


オンラインオープンハウス


さあ、やっと

現在に焦点を合わせます。

もちろん今年のオープンハウスはzoomです。

ちなみに生徒は今年度からMicrosoft Teamsを

授業で利用していますが、

保護者に関しては3月中旬から

zoomに慣れていることもあり、

引き続きこちらを利用しています。


高校3年生(12th in Highschool)と

中学2年生(8th in Junior High)、

小学5年生(5th in Elementary)の娘たちは

それぞれのキャンパスの最高学年。


うちの子供達の学年の親はすでに学校に慣れているので

オープンハウスへの参加がめっきり少なくて、

pcのスクリーンは参加者がまばら。

正直寂しかったです。


その上、

参加はするものの、ビデオオフの保護者も多く、

先生が一人で喋っている的な絵面が

かわいそうだったので、

「ここは!」と変な責任感を持ち出して

頑張って中高全クラスに顔出ししました。


私自身も手探りの中、オンラインで教え、

つながる難しさを知っているからこそ

せめて顔を出すことで先生を応援しよう!と

妙な仲間意識が湧きましたよ。

そのくらいしか、私にはできることありませんし。


10分程度で自己紹介や

授業の内容、評価の付け方など

ざっくり説明があります。

パワーポイントでしっかり準備してある先生もいれば

口頭で畳み掛ける先生も。

そして

「何か質問事項はありますか?」とお決まりのクロージング。

特に質問浮かばないのに

めちゃくちゃ考えて質問してました...。

聞かれると、嬉しいですからね。


念のため補足すると

小学生低学年、

6th grade(こちらの中1)、

9th grade(こちらの高校1年)は

保護者の参加率が高く、

活発なやりとりがあります。

未知のキャンパスや先生たちですから、

情報収集を目的に多くの保護者が参加されます。

悩みどころ


前述したように、

夜6時半から8時位までの開催なので

先生たちも自宅からつないでいます。

特に年度はじめだったこともあり、

オンライン授業の本音や

悩みどころなどを

聞くことができました。


まだ小さいお子さんがいらっしゃる

高校のEnvironmental Science の先生は

「いつもは私が学校に出勤して、

そこからオンライン授業をしているから問題ないのだけど、

今は夜だから家から接続しています。

ですから子供たちの大きな声が聞こえたらすみません!

毎日うちの母が面倒を見てくれなかったら、

私は授業を続けることができなかったでしょう。

でも母は歳も歳ですから、

二人の小さい子供たちを

ずっと家の中で面倒を見ることは大変です。

おまけに、一人小学一年生でオンラインで授業を受けているので

その面倒も見なければいけないのです。」

とおっしゃっていました。


そんなことを聞くと、

先生やお母様の日常を想像して、

どれだけ大変なんだろう!?🌀💦、と

頭の中がいっぱいになります。


高校の先生たちは

「授業中に子供たちが画面をオンにしてくれないから

顔がわからないんだよね。

だから授業は大変だな、」と嘆いていました。

授業の最初だけ顔を出す、など

ルールは決めているようです。


ただ、私の想像に反して

先生たちは

一向にビデオオンにしない生徒たちの気持ちに歩み寄り、

理解をするよう努めている、と感じました。


だって、思春期の高校生。

自分や他の生徒の顔が

ずっと画面に出ている状況って

普通じゃない!


教室での授業だったら、

先生の顔は正面からみれるけれど、

クラスの仲間に関して言えば、

横顔や後ろ姿を見るのが普通。


オンライン授業では

授業風景が一変しています。


私自身のレッスンでは

画面オフなんて考えられないので、

最初はうちの子供たちに

「先生がかわいそう!

それじゃ授業にならないよ。

みんなでビデオオフにする方法考えたら?」と

訴えましたが...


「ママは子供の気持ちがわかっていない」

と言われ、

「あれ?そっか。そんなものなのかな」

と思い始めました。


今はできることをやる、

一つ一つフォーカスする。

欲張りすぎずにそんな気持ちでいることも大事ですよね。


自分にも言い聞かせています。

やりたいこともあるけれど、

できないことがほとんどです。

おまけにやったとしても

あれ?

ということや

失敗も多い。

でも、

今を大切にしないと。


今日はまだ慣れないインスタを触っていたら

Oprah Winfrey と

Echhart Tollleのオンライントークに出くわして

御利益御利益...。

とほくほくしていました。


おかげで呼吸に集中して

そして自分の弱さも受け入れながら

世界で一番大切な家族と一緒に過ごせる大切さを

心に刻める1日となりました。


来週11 /8(日)はアプリコット出版社さんで

夜21 :00から

講座を開催させていただきます。

https://www.apricot-plaza.co.jp/event/20201108


オンラインレッスンで、

どうやって生徒同士の協力を引き出すか。

生徒同士がコミュニケーションを取らないと

達成することのできない課題の与え方、など

ご紹介できたらと思っています。


アプリコット出版さんとの講座も

今回で5回目になりました。

まだまだうまく説明できないところも多いですが

こういった機会をいただけること、

全国の先生方とつながれることに心から感謝して

準備していきたいと思います。


先生方も体調管理にお気をつけてお過ごしください!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

スナダマリコ 拝


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